こんにちは。
今週末はパックラフトの進水式。
ルートを考えるのが楽しいゆるはすです。
さて、今回も引き続きFE450の整備について書いていきます。
DDSクラッチのダンパー交換について。
突然ですが、自分は過去にWR450Fに乗っていました。
勿論その車両もFE450と同様に普段使いや林道ツーリングに使っていてとても気に入っていたんですが、一つ我慢できないことがあってそれを改善するために本気で購入を考えていたパーツがあるんです。
そのパーツとはなんでしょう?
ヒントはこの画像。というか答えだけど。
はい、もう分かりましたね?
そうです。答えは「ハブダンパー付きホイールセット」です。というかハブダンパーが欲しかった。ハブダンパーというのはエンジンからリアホイールに伝わる急な駆動力を吸収するゴム部品で、急加速・急減速のドンツキを緩和することができます。パワーのある大排気量バイクには必ずと言っていいくらい付いているパーツです。
WR450Fなんかのレーサーは軽さ第一なのでこんなバネ下重量が重くなるパーツありません。だからエンジンの駆動がダイレクトにリアに伝わります。そのうえ一発が強い大排気量単気筒+レスポンス重視で軽いクランクマスという二つの要素も相まり、舗装路では常にチェーンをバタつかせながら「ガ・ガ・ガ!!」と走るわけです。これがとにかくキツくて、ギクシャクするから低回転での巡航なんてできたもんじゃなかった。
ここでハブダンパーさえあればこの「ガ・ガ・ガ!!」が緩和され「グワ・グワ・グワ!!」になり快適性能・巡行性能が爆上がりするというわけですね。同じく大排気量のトレール車DR-Z400Sなんかにも快適性を優先してかシレっとハブダンパーがついてたりします。
そんな素敵パーツなハブダンパーですが、勿論FE450にはついてませんよ。
でも同じ役割を持つパーツを搭載してます。
DDSクラッチダンパー
FE450に搭載されたハブダンパーと同じ役割を持つのパーツ。
それこそがDDS(ダンピング・ダイヤフラム・スプリング)クラッチのダンパーパーツです。
外見からは分かりませんがDDSクラッチは内部にゴムパーツがあり、クラッチが繋がった状態ではそれがクランクシャフトからメインシャフトへ伝わる駆動力を吸収しているんです。リアホイールに付けたらバネ下重量が増えるからエンジンの中に持って来ればいいじゃん!という発想なわけです。このダンパーを搭載したDDSクラッチがあるおかげで、KTM系のエンデューロレーサーはハブダンパーを搭載しているトレール並みの快適性を持ってるんですね~。
でも良いことばかりじゃなくて、エンジン内部にゴムダンパーを入れたもんだから熱によるダメージが大きく結構早く寿命が来てしまうらしいです。そしてダンパーが駄目になると駆動力を伝える"遊び"がとんでもなく大きくなるわけで、加減速のドンツキが大きくなる、エンジン音が大きくなる、振動が大きくなると悪いことづくめ。だから早めの交換が必須ってワケです。
自分のFE450の状態的にこのダンパーが生きてるわけないので、バルブクリアランス調整ついでにダンパー交換もやることにしました。
クラッチ分解
DDSクラッチのダンパーがある場所は結構奥の方ででして、交換するためにはクラッチハブを取り外す必要があります。そのためにはカバーを外してダイヤフラムスプリング、クラッチプレートと外していく必要がありますが、まあ過去の記事に書いてるんで省略します。
そこまで開けるとダンパーの摩耗具合を確認することができるようになります。☟のツイートの動画で遊びを確認してるんですが、これ遊びが無く動かないのが正常です。だからこんなガタガタ動いてる時点でもうダメで、ダンパーが全く仕事をしていないため交換が必要になります。
DDSクラッチのダンパー摩耗確認(ブログ用) pic.twitter.com/D8jNDcR6kK
— ゆるはす (@yuruhus) 2023年8月1日
ダンパー交換
ダンパーを交換するためにはクラッチハブを取り外す必要があるんですが、その時に難所が一つだけあるんですよね。それがクラッチハブを組み付けているナットです。
これが普通に外そうとするとシャフトとハブごと回っちゃって緩めることができないので、回るのを抑える専用工具を用意する必要があります。でもそんなの買ってらんね~…ってことで、自分はギアを六速に入れてリアブレーキを踏んだ状態で固定しシャフトが回るのを抑え、そのうちにナットを緩めました。(これは非推奨の方法なのでマネしない方がいいです)
ここが緩んだら後はハブを抜くだけでダンパーとご対面…
というところで、持ち上げたハブからボロボロと何か黒いものが落ちてきました。
なななんと…
ダンパーは摩耗しきってペラペラになり、熱のダメージでカチカチに硬化し、更には形状を保てずバラバラになりヒビだらけ。こ、これはひどい…(ちゃんと比較してないけど左の袋に入ってるのが新品)
こんなんでダンパーとしての機能がまともに働いてるわけないってことで、確認もそこそこにちゃっちゃと新品と交換しました。やり方はYoutubeで検索すれば山ほど出てくるので詳細は割愛。
こんな感じで新品ダンパーをハブにくっつけまして、もう片側のハブパーツにグイっと押し込むだけ。結構はめるのがきついのでプラハンでコンコン叩きながら押し込みましょう。
あとはクラッチハブをナットで止め、
プレート、皿ばねを組んでハイおしまい。
※今回自分は純正のラバーを使用しましたが、噂によるとリクルスが純正よりも優秀な強化品を出してるらしいです。そっち使いたいんですが買える場所が分からんので、知ってる人いたらこっそりコメントで教えてください!
実走
その後はもうワクワクしちゃって早速走ってみた。
結果はですね…
もう滅茶苦茶よくなりました!!
早くやっとけばよかった!!(n度目)
バルブクリアランスの調整をしたおかげで気になってたタペット音が消えたのは当然として、クラッチのダンパーを交換した効果が本当にすごい。走り出してすぐに体感できるレベルで違う。
エンジンの回転数全域で振動が半減していて、とにかく走りがスムーズになった。今までは中高回転を使うと不快な振動が大きくなるので低回転で引っ張るような走り方しかしてなかったけど、今はもう全然回して走れちゃう。回して楽しい!うおお~~!!バオオオォォォン!!!(パワーバンド)
とゆーわけで、KTMの450、500に乗っていて「振動がとにかく気になっててェ」という方。DDSクラッチのダンパーの摩耗状況を確認してみることをお勧めします。マジで変わります。
そんな感じ。