こんにちは。
夏のオフロード遊びは熱中症との闘い…
空調服が一番いいんだろうけど何となく着たくないゆるはすです。
さて、今回は現在履いているタイヤ「MX12」のインプレです。
このタイヤについて言及してるWeb記事全然無いんだよね。
GEOMAX MX12
MX12。
モトクロスタイヤに分類され、公式サイトによると「マッド路からサンド路に対応するワイドレンジサンドタイヤ」とのこと。
このタイヤの特徴は何と言ってもその禍々しいブロックパターンではないでしょうか。特にリアタイヤ。全ての路面を破壊せんとするその風貌、山の神の怒りに触れそうですね。フロントは置いといて、ハードエンデューロ用途としてリアが採用されることが多いです。HEDライダーは罰当たりな奴らが多いので。
昨今のエンデューロ界隈では09ゲコタ、VE33S等に代表されるガミータイヤ(めっちゃ柔らかいタイヤ)が幅を利かせているわけですが、何故かこのタイヤは真逆のカタカタ・モトクロスタイヤなのに一部の人らから熱烈な支持を受けています。誰が呼んだか「サカバトルタイヤ」(多分サカオニさんあたりじゃないかな)。圧倒的なヒルクライム性能に惚れる人が多いとかナントカ。
私もそのヒルクライム性能を期待し、CGCダイナランド参戦にあたり採用したわけです。その後実際に走ってみた感想を書いていくんですが…
最初に言っておきます。
見た目からは想像できませんがどこでも戦えるオールラウンダーでした。
※以下、あくまでCGCさわやかクラス中堅レベルのライダーによるインプレということをご承知おきください
インプレ
さて、実際に走行したインプレを書いていくんですが、
その前に言及しなければいけないことがあります。
それは空気圧について。
空気圧
ハードエンデューロではタイヤを潰して設置面積を増やす=グリップを稼ぐ為に、タイヤの空気圧を下げて走行することが常識です。一般的に、リアは0.5k~0.2gf/㎠くらいじゃないかな。フロントは0.8~0.6くらい?イメージですけど。
MX12で走行する際は必ず空気圧を0.3以下にしてください。
大気圧でもいい。ガチで。このタイヤは(このタイヤだけじゃないけど)空気圧でグリップが激変する特性があって、高いと驚くほど食わない。しかし落としていくと急激にグリップ力が上がります。得意分野が更に強くなるとかではなく、全体的に超底上げされるようなイメージ。
これはカタタイヤだからこそできるワザ。ガミータイヤで真似すると多分ビードが落ちてしまうんだけど、これは本来モトクロスタイヤであるため硬いからかビードが落ちない。自分はCGCダイナランドで大気圧で走ってたけど落ちませんでした。(ビードストッパーは2つ装着、これ必須)
この儀式を経て、MX12は万能タイヤへ化けるのだ。
走行性能
まずはヒルクライム。
これより強いタイヤ存在せんってくらい登る。
パドルタイヤと言えるほど極端な形状のブロックで地面を掘っ散らかしながら登っていきます。このヒルクライム性能はダイナランドのテレインパークで大活躍しましたね。慣れない車両での初めてのヒルクライムでしたが、それでもばっちりスタートダッシュを決められました。すげー登坂力。こりゃサカバトルタイヤだ。
多分、というか間違いなくマディなヒルも滅茶苦茶強い。マディ路強いって公式で言われてるし。雨の大町、チャレンジヒルとか無双できそう。
続いてキャンバー。
これも強い。全体的に硬いので、サイドのブロックがしっかり路面に突き刺さる。滑り落ちるようなことは今のところなかったかな。ダイナマイトロック登った先、急なキャンバーを押していたんだけど、全く落ちずに進んでいけてびっくりした。でもアクセル開けて走っていけるか?と言われたら…微妙かなあ。(自分の技量的に)
そして意外なのが岩。岩、得意です。
最近よく走ってるコースで大きな岩がゴロゴロしてる沢(奈良トラの吉野川に近い?)があるんだけど、この岩にしっかりグリップしちゃうんだ、これが。全然滑らないの。ステアみたいになってる岩だって、ちょい押し半クラでバチっと食いつく。空転しない。硬いブロックが岩のボコつきに食い込んでるのかな。ガミータイヤにも負けないほどグリップするので、是非一度履いて体感してほしい。
で、ここからちょっと苦手…弱いとこ。
明らかな弱点は、バンクさせたときの挙動です。
あの極端なパターンは前後方向への性能は高いものの、横方向には弱い…というか、変な動きをする印象があります。例えばフラットコーナー。他のタイヤならある程度寝かせていけるところ、MX12は寝かせられない、横滑りする。(まあ、HEDでそんなバンクさせて走ることないからこの弱点はあってないようなもの…)
あと、根っこや丸太は苦手かも。
そういう場面はどうしてもガミータイヤに軍配が上がりますね。無理ってほどではないけど、しんどいです。助走区間があるなら大体ヘーキ。ドカッと加速するのが得意なので、慣性で越えられます。しかし、濡れ濡れな根っこが連続するような場所は…どうなっちゃうんだろ。
強いところはしっかり強く、苦手なところでも無理!ってほどではないという程度に走れてしまう印象。意外や意外、「この見た目で!?」と言いたくなるほど万能寄りな性能でした。
まとめ:マディ・ヒル特化型万能タイヤ
MX12は公式にある通り、元々サンド・マディ路面に特化したもの。
それに加えて極低空気圧で運用することで岩など硬い路面に対しても高いグリップを得てしまってる。
結果、このタイヤが強い場面とハードエンデューロの所謂難所と呼ばれる場面がかなりマッチする形になっている気がします。ヒルクライム、キャンバー、岩。それに加えて悪天候によるゲロマディ路面。多くのライダーが苦戦するような場面で、このタイヤの強みが活きます。特に雨の大町なんかMX12の独壇場でしょうね。
そんなMX12に似たタイヤはあるのかな~と思ったら、M5Bがありましたね。あれもトップクラスのヒルクライム性能を持つと言われているタイヤ。そのうち履いてみたいなあ…。
とゆー感じ。
食わず嫌いせず一度履いてみてはいかが?
サカバトル、しよーぜ。